英語を学ぶには英語の考え方を知ることが最も大切とお伝えしましたが、重要なことなのでより分かりやすく「サッカー」と「野球」に例えて説明してみます。

 　「日本語の〇〇って英語でなんて言うの？」という質問は、「野球のホームランってサッカーではなんて言うの？」と質問された感覚に似ています。両方とも2チームに分かれてボールを使って試合をするスポーツですが、点の取り方やそのために必要な能力は全く違いますよね。サッカーにはホームランと厳密に同じものはなく、「ホームランは・・サッカーでいうとシュートしてゴールしたみたいな感じかなぁ？」とあやふやな答えになります。野球のルールを一から説明したほうが「ホームラン」を理解しやすいですよね。

　英語も同じで「言語」という点では日本語と同じですが、文化や発音、文の構成など様々なことが異なります。日本語でよく使われている敬語や「頂きます」「よろしくお願いします」等は英語圏の文化では存在しない場合が多く、全く同じ表現の言葉は英語にないので日本の文化を説明して言葉の意味を伝える必要があります。英語にもそのような表現が多くありますので、英語の文化を理解してから言葉の意味を知ることが重要になります。

　 日本語の感覚で英語を話そうとすることは、バットと硬球を持ってサッカー場へ行くイメージに近いと思います。このチグハグ感が勉強していく上で理解できず、英語学習が続かなくなる大きな要因であると考えます。日本語では避けられる様な表現が、英語では逆に必要になることもあります。そういう意識をもって、大まかなルールや性質を知ることで学びやすくなります。

　また、プロ野球選手が「サッカーも同じようにうまくやってやるぜ！」と思っても、すぐにうまくは行きません。なぜなら、使う筋肉や必要とする能力が違います。経験豊富な人から「こうすればもっとうまくいくよ」とルールやポイントを教えてもらうことが、結局は上達の近道です。英語学習も英語を理解している人からポイントを分かりやすく解説してもらうことが一番効率が良いのです。話す、ということに関しては今まで使っていなかった筋肉や口の動きも必要になりますので、実際に見て聞いて真似て練習することがとても大切です。

　日本語を基準にすると英語は理解しづらいものです。発音も違い、聞き取れないとどんどん難しく感じてしまいます。日本語に変換して英語を学ぶというやり方から離れて、英語そのものを知るレッスンで理解を深め上達していきましょう。